株式会社メディアドゥ 経営企画室 [email protected] 03-5358-7787
IRに関するお問い合わせ www.mediado.jp
見通しに関する注意事項
藤田 恭嗣 溝口 敦 山本 治 伊藤 啓 伊藤 行雄 大和田 和惠 森藤 利明 堀 泰人 田村 茂
商 号 創 業 設 立 資 本 金 従 業 員 数 事 業 内 容
U R L
役 員
株式会社メディアドゥ(MEDIA DO Co.,Ltd.) 1996年4月1日
1999年4月1日 896,969,750円
138名(正社員105名アルバイト等33名) ・デジタルコンテンツ流通・配信
・システム開発・提供 ・インターネット広告取り扱い ・メディアコンサルティング
事 業 所
〒151-0053東京都渋谷区代々木 四丁目30番3号新宿MIDWESTビル5F
〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内 三丁目5番10号 名古屋丸の内平和ビル9F
〒771-6403徳島県那賀郡那賀町 木頭和無田字イワツシ5-23 本 社
名古屋テクニカルオフィス
徳島木頭オフィス
代表取締役社長 取締役 取締役
社外取締役(独立役員) 社外取締役(独立役員) 常勤監査役 社外監査役(独立役員) 監査役
社外監査役(独立役員)
http://www.mediado.jp/ 当社HPでも詳しい情報を開示しておりますので、 併せてご覧ください。
※2016年2月末日時点
本報告書の業績予想に関する記述および客観的事実以外の記述に関しては、当社が現時点で入手可能な情報から得られ た判断に基づいておりますが、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があることをご承知おきください。従いまして、これらの記載内 容のみに全面的に依拠して投資判断を下すことはお控えくださいますようお願い申し上げます。
ひ と つ で も 多 く の コ ン テ ン ツ を 、 ひ と り で も 多 く の 人 へ 届 け る た め に 。 株 式 会 社 メ デ ィ アド ゥ 第1 7期 通 期 株 主 通 信
株主の皆様へ
株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御 礼申し上げます。
当社は、2016年2月23日に、東京証券取引所市場第1部 へ市場変更をいたしました。マザーズに上場してから、2 年と3ヶ月で市場変更ができたのは、これもひとえに、皆 様からのご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
当社が電子書籍事業に参入した2006年度において、国 内の電子書籍市場は僅か70億円の市場でしたが、2014 年度には1,266億円市場となり、8年間で約18倍に成長し ました。電子雑誌をあわせた電子出版市場は、2015年度 で1,890億円、2018年度には3,000億円を超える市場に なると予測されています。(「電子書籍ビジネス調査報告 書2015」:インプレス総合研究所)このような電子書籍市 場の拡大は、当面は続くものと思われます。
最近の電子書籍市場においては、すべての電子書店が 一律に伸びているわけではなく、その中でも資金力、
マーケティング力、技術力、企画力等の差から、成長の明 暗が分かれはじめました。しかしながら当社は、電子書籍 取次として出版社との連携を強化し、より良いコンテン ツをより多くのユーザーに届けられるよう、ユーザーを 抱えるすべての電子書店の事業を変わらず支えていく ことで、デジタルコンテンツ流通の拡大に努めていきた いと考えています。
2015年、当社は国内電子図書館事業、海外へのコンテン ツ輸出を本格的に開始しました。今後は、当社の事業の 中心である国内での電子書籍の「販売」流通に加え、電 子図書館での「貸出」という形での新たな流通を推し進 めるとともに、海外からの日本コンテンツ(特にコミック) へのニーズを捉えていくことで、海外流通を促進させ、 事業展開を拡大させていきたいと思っています。これら の新たな展開においては、まだ課題も多く残されていま す。電子図書館事業においては、国内での電子図書館普 及率が依然低く、電子図書館が導入されているのは、全 国の公共図書館約3,200館あるうちの1%程度にすぎま
2015年度は、どんな年でしたか?
当社にとって、2015年度は、地盤固めの年となりました。 基幹システムであるコンテンツ配信サーバー「md-dc」の 増強を行いました。これまで、月間ダウンロード処理の キャパシティが3億DLだったシステムを、60億DL捌ける システムへと拡張しました。また、サービスの起点となる データセンターを東京、名古屋の2拠点に構え、万が一 の災害時にもサービスの提供を継続できるよう体制を 整えました。事業面においても、国内での電子図書館シ ステムの提供や、海外に向けたコンテンツ配信を開始し、 今後の成長を担う領域への第一歩を進めてきました。 せん。当社はこの未開拓な市場に対し、世界展開で先行 する最大手の電子図書館プラットフォーム事業者であ る米国OverDrive社と手を組み、スピーディーな事業展 開を推進していきたいと考えています。
また、海外輸出においては、各国向けのコンテンツ翻訳 における品質とスピードが鍵となります。今後、早期に 翻訳業務体制を確立し、より早く、より多くのコンテンツ を世界に届けられるように取り組んでまいります。
“ひとつでも多くのコンテンツを、ひとりでも多くの人に 届けること“を理念に、引き続き邁進してきたいと考え ています。
当社は株主還元として、財政状況および経営成績ならび に経営全般を総合的に判断して利益配当を行っていく方
Q.
Q.
株主の皆様へのメッセージをお願いします。
Q.
2016年度は、どのような取組みを考えていますか。
株式会社メディアドゥ 代表取締役社長
2016年度は、2015年度に強化したビジネス基盤の上で 事業推進を加速させる組織体制を築く年と捉えていま す。昨年から続いている事業規模の拡大や新規事業の 推進に伴い、全体的に人材が不足してきています。その ため、物理的なスペースの確保のためにも、本社オフィ スの拡張移転を決定いたしました。これからのシステム プラットフォームを軸にした事業成長を支えられるよう、 中途、新卒も含めてエンジニアを中心とした積極的な 採用活動を行う予定です。当社はコンテンツ配信のシス テムプラットフォームを核に、世の中に新たなソリュー ションを提供し続けられる最適な組織体制を早期に構 築したいと考えています。
当社に関連するデジタルコンテンツ流通を取り巻く事業 環境については、携帯電話の契約数は平成27年9月末時 点で1億2,723万件となり、総務省発表の総人口1億2,711 万人※1を上回り、すでに人口普及率は100%を超えてきて います。そのうち、スマートフォン契約数は7,237万件(平 成27年9月)となり、携帯電話契約数全体の56.9%まで拡 大しました。加えてタブレット端末の平成27年(平成27年 1月∼12月)の国内出荷台数は前年に比べ8.4%増の943
万台となったと発表されており、モバイルインフラはさら に整備が進んでいるといえます。※2
また、当社の主力事業領域である電子書籍市場は、電子 雑誌市場と合わせて平成27年において1,502億円と発表 されており、前年から31.3%増加したのに対し、平成27年 の出版市場(国内書籍・雑誌の推定販売額合計)は1兆 5,220億円となり、前年比で5.3%減少しており、市場が少 しずつデジタルに移行してきています。※3電子書籍市場は ※1:平成27年国勢調査速報
※2:出所「SIMフリースマートフォン市場規模の推移」「国内携帯電話端末出荷状況」「2015年国内タブレット端末出荷状況」MM総研 ※3:出所「2015年出版物発行・販売概況」出版科学研究所
※4:出所「電子書籍ビジネス調査報告書2015」インプレス総合研究所
2 0 1 6
年
2
月期ハイライト
当事業年度の売上高は11,242百万円(前期比39.2%増)になりました。電子書籍事業の売上が前期比 で51.1%増と大きく伸長し、全体の売上成長を牽引しました。電子書籍事業の全体の売上に占める割 合は94.5%となり、前期から7.4ポイント上昇しました。
売上高推移
2016
年
2
月期通期の業績は、売上高前期比
39.2
%増 営業利益は前期比
33.7
%増
電子書籍事業
(単位は百万円、括弧内は売上構成比) 音楽・映像事業
ゲーム事業 その他
19999
30399
219 136
425 149
53 182
2014年2月期 (通期)
2013年2月期 (通期)
2012年2月期 (通期)
2015年2月期 (通期)
2016年2月期 (通期)
3,602
4,086
5,544
8,074
11,242
918
630
562
469
384
2,555 (66.5%)
3,051 (74.7%)
4,626 (83.4%)
7,030 (87.1%)
10,621 (94.5%)
今後も引き続き拡大が見込まれ、平成31年度には2,890 億円となり、電子雑誌市場の510億円と合わせた電子出 版市場は3,400億円程度になると予想されています。※4 このような事業環境の下、「ひとつでも多くのコンテンツ をひとりでも多くの人に届けること」で、「健全な著作物 の創造サイクルを実現する」という事業理念を実現する ため、積極的な業容の拡大に取り組んでまいりました。 当社の成長戦略である「国内事業拡大」「海外流通展開」 「電子図書館展開」においては、具体的な施策展開を進め
ることができました。「国内事業拡大」においては、電子書 籍ソリューションの強化のための「MDビューア」の開発、 当社の基幹システムである配信エンジン「md-dc」の増 強、新しいアライアンスモデルの事業展開の開始等、「海
外流通展開」においては、海外向けコンテンツ輸出の開 始や、LINE株式会社、株式会社講談社、株式会社小学館 との合弁会社であるLINE Book Distribution株式会社に よる台湾版「LINE マンガ」のスタート等、「電子図書館展 開」においては、茨城県の龍ヶ崎市立中央図書館、潮来市 立図書館への電子図書館システムの提供を開始すると ともに、法人向けの電子図書館展開の推進体制の整備 等、それぞれの事業展開を大きく前進させることができ ました。
以上の結果、当事業年度の売上高は11,242,741千円(前 期比39.2%増)、経常利益は553,163千円(前期比33.8% 増)、当期純利益は334,889千円(前期比39.5%増)となり ました。
252
38
66
413
552
5.1% 4.9%
4.6%
0.9%
1.9%
当事業年度の営業利益は552百万円(前期比33.7%増)になりました。電子書籍事業の売上が堅調に伸 長したため、営業利益の増加につながりました。営業利益率においては、前期と比べて0.2ポイント下が り、4.9%となりました。
営業利益推移
(単位:百万円)
営業利益率 営業利益
2014年2月期 (通期) 2013年2月期
(通期) 2012年2月期
収益拡大に伴い、現金及び預金 が584,643千円、売掛金が491,205 千円増加したことによるもので あります。
有形固定資産が90,709千円、無 形固定資産が47,136千円、差入 保証金が119,667千円増加した ことによるものであります。
新株予約権行使により資本金及
び資本剰余金がそれぞれ33,215
千円増加したこと、当期純利益計 上に伴う利益剰余金334,889千 円の増加によるものであります。 未払消費税等が25,073千円減少 する一方で、売上高増加に伴い 買掛金が960,458千円、未払法人 税等が34,304千円増加したこと によるものであります。
資産除去債務が減少したことに よるものであります。
電子書籍事業が前期比51.1%増 の10,621,774千円となったことに より、当期累計期間の売上高は前 期比39.2%増の11,242,741千円 となりました。
収益拡大に伴い、営業利益は前 期比33.7%増の552,191千円と なりました。
投資有価証券評価損29,968千円 を計上しましたが、税引前当期純 利益は前期比28.6%増の523,195 千円となりました。
売上債権の増加499,173千円があ りまし た が 、仕 入 債 務 の 増 加 964,166千円、減価償却費171,289 千円により営業活動によるキャッ シュ・フローは1,031,015千円の収 入となりました。
定 期 預 金 の 預 入 に よ る 支 出 300,000千円、コンテンツ等の無形 固定資産取得による支出184,690 千円、サーバ入替等の有形固定資 産の取得による支出126,485千 円 、保 証 金 の 差 入 による 支 出 120,057千円により投資活動によ るキャッシュ・フローは793,312千 円の支出となりました。
新株予約権の行使による株式の 発行による収入が65,770千円あり ましたが、配当金の支払額による 支出19,330千円などにより財務活 動 によるキャッシュ・フロ ー は 46,940千円の収入となりました。
(単位:千円)
757,002 1,184,373
607,589 1,031,015
563,896 793,312
1,440,190 1,724,834 119,455 46,940
427,371
423,426
229,416
284,643 72,515 増減額
現 金 及 び 現 金 同 等 物 の 期 末 残 高 財務活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フロー(小計)
2015年3月1日から 2016年2月29日まで 2014年3月1日から
2015年2月28日まで
(単位:千円) (%)
6,932,797
9,936,824
88.4
8,074,664
11,242,741
100.0
1,141,866
1,305,916
11.6
413,013
552,191
4.9
1,614
1,693
0.0
1,309
721
0.0
6,353
413,318
553,163
29,968
4.9
0.3
406,965
523,195
4.7
142,362
189,201
1.7
239,992
334,889
3.0
売上高
売上原価
売上総利益
営業利益
営業外収益
営業外費用
経常利益
特別損失
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
当期純利益
24,610
896
0.0
法人税等調整額第16期 第17期 構成比
728,853
753,725
6.7
販売費及び一般管理費2015年3月1日から 2016年2月29日まで 2014年3月1日から
2015年2月28日まで
第
16
期 第17
期(単位:千円)
第
16
期 第17
期 増減額(2015年2月28日時点) (2016年2月29日時点)
3,712,324
4,791,483
1,079,159
408,404
694,264
285,859
66,278
156,987
90,709
149,118
196,254
47,136
193,007
341,021
148,014
4,120,728
5,485,747
1,365,019
2,255,611
3,246,663
991,052
9,127
678
8,489
2,264,738
3,247,342
982,603
863,753
896,969
33,215
567,400
600,616
33,215
420,892
736,452
315,559
4,366
424
3,942
1,855,989
2,238,405
382,415
1,852,047
2,234,038
381,990
資産の部
流動資産
固定資産
有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
資産合計
負債の部
流動負債
固定負債
負債合計
純資産の部
資本金
資本剰余金
利益剰余金
新株予約権
純資産合計 株主資本
4,120,728
5,485,747
1,365,019
負債・純資産合計貸借対照表
損益計算書
執行役員 技術本部長
森 一紘
Kazuhiro Mori取締役 事業統括本部長
溝口 敦
Atsushi Mizoguchiメディアドゥが目指す電子書籍配信プラットフォームの未来
2015
年度、メディアドゥの基幹システムである
「
md-dc
」
の
IT
基盤を刷新、大規模なアップグレードを行い
ました。今回の
IT
基盤の強化の目的や、今後の事業展開の広がりついて、メディアドゥの事業全体を統括
する溝口取締役と、技術本部長の森執行役員に話を伺いました。
森:サーバー等のハードウェアについては、利用サイクルとして5年周 期というのが一般的で、今回その周期が来たことがきっかけです。導 入したデータベースマシンは、日本オラクル株式会社のExadata X5 (以下、X5)という最新の機器ですが、5年前に導入したExadata X2(以 下、X2)に比べ理論値で約20倍のスペックを誇ります。ですがこの導入 は、ただ単純に20倍の物量を捌けるからということではなく、ダウン ロード(DL)処理能力を上げることに加え、当社が戦略的に進める「多 様性」として電子書籍販売の新しいスタイルに対応していくことが大 きなテーマとなっていました。
同時に、事業の継続性を担保するための災害対策も、導入時のテーマ でした。X2でサービスを展開している時に東日本大震災に遭遇した経 験もあったので、今回はディザスターリカバリー※1として東京と名古屋 の2拠点に同様のシステムを設置し、大きな災害が発生した時でもど ちらかのシステムでサービスの継続ができる環境を目指しました。 溝口:震災でシステムが止まることはありませんでしたが、より安全性 を高めることはデジタルコンテンツ流通事業者として大命題だと思っ ています。
森:元々データセンターでしっかり保護はされてますから、震災が直撃 だったとしても耐えられたとは思いますが、それは結果の話なので、ク ライアントへの安心感のためにも今回はディザスターリカバリーを導 入し、2拠点を構えて万全な体制にしました。もちろんサーバーのキャ パシティ(処理能力)を増やしたいということもありましたが。 溝口:5年前にX2を導入した時は、まだユーザーからのダウンロードそ
のものが少なかったので、キャパシティは空いていたじゃないですか。
森:1,000万DLも無かったですね。そもそも1,000万DLを上限と想定し
※1 ディザスターリカバリー(Disaster Recovery):主に自然災害などで被害を 受けたシステムを復旧・修復すること。また、そのための備えとなる機器やシス テム、体制を指す。
まずは昨年11月に行った、コンテンツ配信システムの
IT基盤強化について教えてください。
ていた時代です。
溝口:1,000万DLが超えることを想定し、覚悟を決めて高価なX2を導
入しました。この5年で気づけば、約2億DL配信するようになり、いよい
よX2のキャパシティを超える目前でした。
森:もし、X2を導入してなかったら、実現できてないサービスとか沢山 あったので、あの時の判断は正しかったんですね。
溝口:X5は理論上、X2の20倍のスペックだけど、また5年後には「X5に
しておいて良かった」という感じにしたいですね。
森:ただ単に、20倍のDLを捌けるからその分事業を頑張って伸ばそ う、というだけでは面白味は無いですよね。藤田社長が繰り返し言って いるように、「売り方の多様性」を模索し、それを実現していきたい。 溝口:DL数だけの話ではなくて、DLされた分だけ蓄積される情報やノ
ウハウ、マーケティングとなる統計データがあって、それらを活用して いけるようにならなければいけない。今後我々が特にフォーカスを当 てるべきはそこですよね。
メディアドゥ リーダー対談
※3 コンテンツデリバリネットワーク(Contents Delivery Network ):ファイルサ イズの比較的大きいコンテンツを、多数のユーザーにインターネット経由で配 信するために、ネットワークを最適化する仕組み。
※2 コンテンツ許諾:著作者が、コンテンツの使用について決めた範囲のこと。 森:「多様性」と言うと、例えば今までは海外からの要望に対して、シス
テムを対応させてきました。だけどこれからは、メディアドゥが主体と なって海外展開をしていきたい。海外への子会社の設立を決めたのも そのひとつです。主体的に戦略を立てて動いてくというテーマに沿っ てデータベースも機能拡張・追加していくべきで、海外に向けたシステ ムを軸にした事業展開の準備は着々と進んでいます。また電子図書館 事業に関しても同じで、「売る」ではなく「貸す」ということから生まれる 価値観を提案し、市場を開拓していく。これこそ売り方の多様性のひと つだと思います。
多様性というキーワードと今後の方向性を教えてください。
溝口:我々がよく言う流通カロリー、それをどこまで下げられるか。ファイ ルの登録から支払い帳票の発行まで、コンテンツ流通に掛かるすべての コストを明確に割り出し、それを削減することで、1DL単価を下げていく
ことが目標です。
森:それは新しいシステムになる前からのテーマですけど、今回のアップ グレードでより大きく後押しができるのではと考えています。 溝口:ようやくという感じですね。今まで配信のための回線費用について は、CDN※3を導入してコストを削減してきたけど、これはあくまでも外的
対策であって、内部的にはできていなかったけど、それがようやく下げら れる環境になってきた。そうすると新しいことができる。今まではやろうっ て思っても、費用対効果が合わなくてできなかった、明日スタートして明 後日にはクローズするといった超短期的なキャンペーンとか。そういうこ とをコストを気にせず試せるようになりますね。
森:メディアドゥが電子書籍流通を始めて10年目。この10年間のノウハウ を活かせる仕組みがシステムに詰まっているというのは相当な強みです よね。10年間、面倒くさいって思いながらやってきたことをすべてシステ ムがやってくれる。そしてその「面倒くさいこと」こそがノウハウですよね。 溝口:実際のところ、電子書籍においてユーザーサービス側のイノベー ションって、何も起こってないと思っています。バックエンドのイノベー ションは起こっていて、X2導入もひとつのイノベーションだと思ってい
た。小規模だったメディアドゥが、現在のポジションになれたんだと。今回 のX5も、コストの削減や一元管理できるというのは大きなイノベーショ
ンになると思っているけど、電子書籍のサービスを受ける側からしてみ れば、「本を買って読む」ということは何も変わってはいない。フロント側 のイノベーションはこれからだと思うんです。書籍自体も、紙ではなく ディスプレイで読むというスタイルの変化があっただけで。本質的なイ ノベーションはこれからなので、我々が考える売り方の多様性というとこ ろに繋がっていけばと思います。作る・売る・買うという行為そのものが、
ITが入ることで劇的に変えられたらと思います。
森:売り方が多様化できれば、今まで市場にならなかったところも市場に なっていく。例えば専門書とかだと、紙だとなかなか置いてもらえない し、電子書籍でも売る場所があまり無い。でも多様性を追求することで、 様々な潜在的な需要と供給を結び付けられると考えています。 今後、新しい配信システムによる
チャレンジの方向性を教えてください。 溝口:キーワードはマルチ。通貨、決済、コンテンツ、今のアプリケーショ
ンでは連携しきれないことができるようになるところですね。例えばひ とつの電子書店に対して、同じファイルを2種類のコンテンツ許諾※2で
登録することとか、ひとつの電子書籍ファイルに沢山の情報を載せると か、X2の時に想定してなかったことを実現できる。今では料率や単価 が、企画単位、ファイル単位で発生しているので、今後はそのような
“and条件”がもっと増えてくると思う。そこにしっかり対応させていこう というのが今後のデータベースの設計思想です。
森:今は一物一価が基本ですけど、多様化に対応することで、今まで出 来なかった売り方を創造していく。面白いことを仕掛けていきたいです よね。
溝口:多様化に対応するために複雑な設計のデータベースは理解され にくいところだけど、その高度な仕組みを実際にどう「凄いな」って思っ てもらうかですね。
森:そうですね。一番分かり易いのはデータベースから販売するところ とか、他には国や通貨、言語といった障壁を解消しながらも、データ ベースはひとつというところを我々は活かしていきたい。 溝口:簡単にいうと、ややこしいことを一箇所で解決するっていうことだ と思いますね。
森:通常こういったサービスを展開するにあたり、各々で対応したもの を用意するものだけど、それを一箇所でやることで、業務の効率化も図 れます。
溝口:並列でデータベースを立てれば、確かに同じことは出来るけど、 それはとても非効率。国内外問わず見せる広がりを、一箇所で実現で きるということは凄い訳で。
森:結果的にスピードが上がりますし、何よりコストを抑えられますよね。 溝口:色々なコストが下げられますね。特にデータベースの運用にかか るコストダウンは電子書籍取次として必要不可欠だと思っています。
新しいシステムに期待することはどういうところでしょう。 溝口:電子書籍の配信システムが出版社と電子書店の1対1の関係を
処理するものから、N対Nへと進化してきました。現在は配信システム
における機能が細分化されることで初めてサービスが成り立つケース もある。我々はその細分化まできっちり対応できるということ。ただ、ま だ一部の機能は人的運用が介在しているので、今後はそこも含めてす べてシステムがカバーすることが理想です。例えば出版社が今、自社の コンテンツがメディアドゥを通して世界中でどれだけ売れているかをひと
つのデータベースを覗けば完了するというのが、本質的にやりたいこと。
2 0 1 6
年
2
月期のトピックス
昨年より準備を進めてきたOverDriveとの国内における電子図 書館事業展開が4月より正式にスタートしました。
スマホ等、縦スクロールのブラウジングが 主流となっているユーザーに満足度の高 い読書体験を提供する高速レンダリング と、ユニバーサルフリックを搭載した高機 能ビューアアプリ「MDViewer」を開発、提
供を始めました。
電子書籍を中心としたコンテンツ管理・配信システム「md-dc」の
IT基盤を、日本オラクル株式会社の最新版高速データベースマシ
ン「Oracle Exadata DatabaseMachine」へのアップグレードのた
めの設備投資を実施し、構築・移行プロジェクトを開始しました。
2013年11月の東京証券取引所マザース市場に上場してから、2
年と3ヶ月を経て東京証券取引所市場第1部へ市場変更しました。
1月15日に、コンテンツ表示装置、コンテンツ表示プログラム、コ ンテンツ表示方法として国内にて特許を取得(特許第5869711
号)。また海外においても特許出願手続きを完了させました。 昨年に引き続き、国内最大の図書館の総合展「第17回図書館総 合展」に出展。メディアドゥは、提携パートナーである電子図書館プ ラットフォーム世界最大手のOverDriveからゲストスピーカーを招
くとともに、自社展示ブースの規模を昨年の4倍に拡大して出展 いたしました。
LINE・講談社・小学館・メディ アドゥの4社による合弁会社 LINE Book Distribution株式
会社が提供するグローバル
版「LINE Manga」の台湾で
の公開に際し、メディアドゥが 電子書籍システムおよび電 子書籍コンテンツの提供を
開始いたしました。 ©「宇宙兄弟」小山宙哉/講談社
メディアドゥは、法人向けの電子図書館展開の加速に向けて、株
式会社ZITTOと商品開発および事業展開について共同で実施
する契約を締結しました。今後の国内企業からの電子図書館ソ リューションの需要が見込まれるため、法人向け電子図書館 サービスの事業展開を加速させていきます。
政府と民間が協力し国際広報活動の一環として進めている
「JAPAN LIBRARY」プロジェクトで厳選、英訳された国内作品
の電子書籍について、楽天グループで電子図書館プラットフォー ム世界最大手の米国・OverDrive社を通じ、海外の電子図書館へ 販売を開始しました。
フジテレビオンデマンドへ、電子書籍コンテンツの 提供を開始
国内での電子図書館サービスを、 OverDriveとの提携により本格的にスタート
韓国大手漫画ポータルサイト「Mr.Blue」に、 日本漫画コンテンツを提供開始
海外での講談社作品の電子配信業務を受託
情報キュレーションアプリ「グノシー」上での「グノシー マンガ」に電子書籍コンテンツを提供
タテヨコ自在読み機能「ユニバーサルフリック」を 搭載した「MD Viewer」を提供開始
3月
4月
5月
6月
OverDriveの電子図書館システムを国内で初めて公 共図書館(茨城県龍ケ崎市立中央図書館)に提供
Amazon.co.jpの「プリント・オン・デマンド(POD)」向 けにコミックの専属取次契約を締結
第19回 国際電子出版EXPOへ出展。OverDrive・楽天 とトークセッションを実施
OverDrive導入の国内電子図書館向けに、 講談社作品の電子書籍を提供開始
インターネット広告を一元管理可能なワンタグソ リューション「Trans-AD」の提供を開始
大和リビングマネジメントと連携し、1日30分電子書籍 が読み放題「D-room Books」を提供開始
電子書籍配信サービスを支えるIT基盤を最新機種 「Oracle Exadata X5」に刷新へ
7月
8月
茨城県潮来市立図書館にOverDriveの電子図書館シ ステムを提供開始
台湾版「LINE Manga」へ、電子書籍システムおよび電 子書籍コンテンツの提供開始
第17回図書館総合展へブース出展
Amazia社運営の電子コミックアプリ「マンガBANG!」 へ、配信プラットフォーム提供と、講談社コミック作品 のコンテンツ取次を開始
ZITTO社が運営する総合電子書籍ストア「いつでも書 店」へ、ビューアソリューション「MD Viewer」の提供開始
OverDrive Japanとして、法人向け電子書籍サービス展 開を加速∼ZITTO社と協業∼
政府と民間の協力プロジェクト「JAPAN LIBRARY」作 品を海外電子図書館へ
東京証券取引所市場第一部への市場変更 MD Viewerが国内特許取得
大和リビング株式会社が新設する電子書店「HeartOne BooKs」に電子書籍システムの提供を開始
「楽天いどうとしょかん」に、OverDriveの電子図書館シ ステムを提供開始
9月
10月
11月
1月
2月
株式情報
株主分布状況
大株主
株主名 持株数 出資比率
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 大和田 和惠
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 株式会社小学館
株式会社講談社 鈴木 克征
野村信託銀行株式会社 溝口 敦
第一生命保険株式会社
3,381,000株
496,100株
447,600株
411,300株
220,800株
200,000株
126,000株
115,000株
104,800株
100,800株
藤田 恭嗣 34.01%
4.99%
4.50%
4.13%
2.22%
2.01%
1.26%
1.15%
1.05%
1.01%
38
,
971
,
000
株
発行可能株式の総数
9,938,800
株
発行済株式の総数
4,586
名
株主数
●上場市場:東京証券取引所市場第1部●証券コード:3678 ●上場日:2013年11月20日●事業年度:3月1日から2月末日まで●定時株主総会: 毎事業年度終了後3ヶ月以内●単元株式数:100株●基準日:定時株主総会および期末配当は毎年2月末日/中間配当は毎年8月31日(その他必要がある場合 は、予め公告する一定の日)●株主名簿管理人および特別口座管理機関:東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社●郵便物送付先:
〒137-8081 東京都江東区東砂七丁目10番11号三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部●電話照会先:0120-232-711(フリーダイヤル)●公告掲載方法:電
子公告により行います(URL:http://www.mediado.jp)。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合、日本経 済新聞に掲載して行います。
株主メモ
関東 43.81%
中部 18.12% 近畿 19.41% 九州4.95% 中国4.27% 四国3.88% 東北3.55% 北海道1.33% 海外0.68%
4,586
名
地域別 個人・その他
75.16%
金融機関等 13.95% 国内法人 6.57% 海外法人等 4.34%